前作の16ミリ自主映画「闇のカーニバル」がベルリンで超ロングランを続けるなど、日本のインディーズの代表選手として欧米で評価の高い山本政志の35ミリデビュー作。様々な国から寄り集まった人々の吹きだまりのような外人ハウス。そこに住むクミはドラッグを売ることで日銭を稼いでいる。そんなある日、緑の生い茂る不思議な廃墟に迷い込んだクミの眼前に忽然と現れた“ロビンソンの庭“。ここに移り住んだ彼女は畑を耕し始める……。主演の太田久美子の圧倒的な存在感。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の撮影監督トム・ディチッロが、東京の倦怠感と緑の神秘性を見事に捉えている。